単価は、
どこで決まるのか。
Understanding OEM Unit Costs — Structure, Ranges and Levers.
「中国は安い」と「実際にいくらか」は、別の話です。 同じアイテムでも、素材のグレード、数量、工程数、貿易条件で、 単価は2〜3倍変わります。だから単価だけを並べても、比較にはなりません。
このページでは、単価が何でできているか(構成比)、アイテム別の一般的な価格帯、 単価を押し上げる6つの要因、そして下げる7つの方法を整理しました。 見積もりに含まれない「あとから発生する費用」も一覧にしています。 単価を下げる交渉の前に、まず構造を押さえてください。
単価は、
6つでできている。
全体の7〜8割。
アパレルのOEM単価は、おおむね次の6項目で構成されます。 割合はアイテムと仕様によって動きますが、素材費と縫製費で全体の7〜8割を占める という構造は変わりません。つまり、この2つを動かすことが、単価を動かすことになります。
| 項目 ITEM | 構成比の目安 | 何で決まるか |
|---|---|---|
| 素材費(生地) | 30 〜 45% | 単価に占める割合が最も大きい項目です。番手・組成・目付で数倍変わります。「同じコットン100%」でも中身は同じではありません。 |
| 副資材費 | 5 〜 10% | ボタン、ファスナー、テープ、芯地、下げ札、ポリ袋など。付属品が増えるほど割合が上がります。 |
| 縫製費 | 25 〜 40% | 工程数と数量で決まります。1着あたりの標準工数を数量で割ったものが基本。小ロットほど割高になります。 |
| 染色・加工費 | 5 〜 15% | 特注色の染色、水洗い加工、プリント、刺繍など。既存色を使えば大きく下がる項目です。 |
| 検品・検針費 | 2 〜 5% | 全数検品かAQL抜き取り検品かで変わります。ここを削ると、日本到着後のリスクに跳ね返ります。 |
| 梱包・輸送・通関 | 5 〜 15% | 海上か航空かで大きく変わります。FOBかDDPかでも、単価に含まれる範囲が変わります。 |
アイテム別の、
価格帯のイメージ。
「何で変わるか」。
| アイテム ITEM | 単価の目安 | 最も効く要因 | 補足 |
|---|---|---|---|
| カットソー・Tシャツ | 500 〜 1,500円 | 生地の番手と数量 | 工程が少なく、素材の選択肢も広いため、最も単価を抑えやすいアイテムです。 |
| シャツ(長袖) | 1,500 〜 3,500円 | 衿・カフスの仕様 | 衿芯・カフス・ボタンホールの仕様で上下します。 |
| パンツ・スラックス | 1,500 〜 3,500円 | ファスナーと芯地 | ファスナーや芯地の有無で、工程数が大きく変わります。 |
| ワンピース | 2,000 〜 5,000円 | 裏地と切り替え | 裏地あり・切り替え多めのデザインは、工程数が増えて上がります。 |
| ニット・セーター | 2,000 〜 6,000円 | ゲージと編み組織 | 編み方(手編み風・ジャカードなど)で大きく変わります。 |
| ジャケット・アウター | 5,000 〜 15,000円 | 芯地・裏地・付属品 | 芯地と裏地を使うため、工程が最も多く、検品も難しくなります。 |
※ 上記は数量500枚前後・標準的な素材・素材費と縫製費を含むFOB単価を想定した、 市場一般の目安です。当社の見積もりではなく、実際の単価は仕様・数量・条件をお伺いしたうえで 個別に算出します。同じアイテムでも、素材のグレードと数量で2〜3倍変わることがあります。
単価が上がる、
6つの要因。
すべて説明できる。
素材のグレード
同じ「コットン100%」でも、番手(糸の太さ)・織組織・産地で価格は数倍違います。生地見本を必ず取り寄せ、重量(gsm)と組成を数値で確認してください。安い見積もりの多くは、ここが薄手の別素材です。
数量(ロットサイズ)
段取り費は数量に関係なく発生します。500枚と50枚では1枚あたりの負担が10倍違います。数量を一定以上まとめることが、単価を下げる最も確実な方法です。
色数とサイズ数
段取りは色・サイズのセルごとに発生します。総数が同じでも、5色×4サイズと2色×2サイズでは段取り回数が5倍になります。初回は色数を絞るのが得策です。
デザインの工程数
ポケット、ファスナー、裏地、芯地、切り替え、刺繍——一つ増えるごとに工程と検品項目が増えます。初回は工程の少ないデザインから始めることで、単価も品質リスクも抑えられます。
素材の調達方法
特注の織編成・特注色の染色は、最小ロットの制約とリードタイムの両方でコストを押し上げます。素材商社や素材工場の在庫定番品から選ぶと、コストと納期が同時に改善します。
検品の方式と貿易条件
全数検品かAQL抜き取りか、FOBかDDPか。FOBとDDPでは、同じ製品でも単価が2〜3割変わります。条件を揃えずに比較すると、判断を誤ります。
単価を下げる、
7つの方法。
設計で下げる。
単価を下げる方法は、工場と値切ることではありません。 発注の設計を変えることです。上から順に、効果が大きい順に並べています。
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01
数量をまとめる
同じアイテムを複数回に分けて発注するより、1回にまとめるほうが段取り費が1回で済みます。シーズンをまたいで使える定番品は、まとめて発注するのが有利です。
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02
素材を在庫定番品から選ぶ
特注の織編成や染色を避け、素材工場が在庫として持っている定番素材を選びます。コストが下がるだけでなく、リードタイムも2〜3週間短縮できます。
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03
色数・サイズ数を絞る
段取り回数を減らすことが、直接コスト削減になります。初回は2色×2サイズ程度に絞り、売れ行きを見てから展開を増やすのが現実的です。
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04
型紙を再利用する
パターン代は数量が少ないほど重くのしかかります。既存の型紙データ(DXFなど)を渡すか、ベースになる手持ちサンプルを用意することで、初期費用を大幅に削減できます。
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05
デザインを簡素化する
ポケットを1つ減らす、切り替えを1本減らす——工程が減れば縫製費も検品費も下がります。デザイン性を保ちながら工程を削る提案も可能です。
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06
継続発注を前提にする
「まず100枚、次に300枚」という計画を最初に伝えると、工場側も段取りを残すため、2回目以降の単価が下がります。単発で終わる前提より、条件が良くなります。
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07
貿易条件を最適化する
数量が多い場合は海上、急ぎの場合は航空。DDPにまとめることで、国内の物流費を個別に手配するより総額を抑えられるケースもあります。数量と納期で最適解が変わります。
よくある、ご質問。
見積もりについて。
Q01 中国で服を作る場合、1枚あたりの単価はどのくらいが目安ですか?
アイテムと素材によって大きく変わります。数量500枚前後・標準的な素材の場合は、カットソー・Tシャツで500〜1,500円、シャツやパンツで1,500〜3,500円、ワンピースで2,000〜5,000円、ジャケット・アウターで5,000〜15,000円が、市場一般の目安として挙げられるレンジです。ただしこれは市場の一般的な目安であり、当社の見積もりは仕様・数量・条件をお伺いしたうえで個別に算出します。素材のグレードと数量で2〜3倍変わることも珍しくありません。
Q02 単価のうち、最も大きな割合を占めるのは何ですか?
素材費(生地)が30〜45%で最も大きく、次に縫製費が25〜40%です。つまり単価を左右するのは、生地のグレードと、工程数・数量の2点に集約されます。逆に言えば、素材を在庫定番品から選び、数量をまとめることが、単価を下げる最も効率的な方法です。
Q03 同じ製品なのに、工場によって見積もりが2倍違うのはなぜですか?
条件が揃っていないからです。①素材のグレード(同じ「コットン100%」でも番手・目付が違う)、②数量の前提、③貿易条件(FOBかDDPか)、④検品の有無と範囲、⑤サンプル代・型代が含まれるか——この5点を揃えずに単価だけ並べると、比較になりません。特にFOBとDDPの混同は、2〜3割の差を生みます。
Q04 単価を下げるために、最初に取り組むべきことは何ですか?
効果が大きい順に、①数量をまとめる、②素材を在庫定番品から選ぶ、③色数・サイズ数を絞る、④型紙を再利用する、の4つです。特に①②は効果が大きく、しかもリードタイムの短縮にも同時に効きます。デザインの簡素化(工程数を減らす)は、デザイン性との相談になりますが、縫製費と検品費の両方を下げられます。
Q05 見積もりに含まれていない、後から発生する費用はありますか?
よくあるのは、①サンプル代・パターン代(初期費用)、②裁断用の型代、③下げ札・検針タグの作成費、④通関・関税・消費税(FOBの場合)、⑤日本国内の配送・保管費、⑥素材の端数ロスです。特にFOBの見積もりをDDPと比較してしまうケースが多く見られます。当社では「日本国内に届くまでの総額」で提示しますので、他社の見積もりと比較する際は、同じ条件に揃えてからご確認ください。
Q06 小ロットでも、単価を抑える方法はありますか?
あります。①素材を在庫定番品から選ぶ、②色数・サイズ数を最小限にする、③工程の少ないアイテム(カットソーなど)を選ぶ、④既存の型紙を使う、⑤「まず100枚、次に300枚」という継続発注を前提にする——この5つで、100枚でも単価の上昇をかなり抑えられます。特に⑤は、工場側の段取りに対する姿勢を変えるため、単価だけでなく品質と納期にも効きます。
Q07 DDPとFOBでは、単価はどのくらい変わりますか?
一般的に、DDPのほうがFOBより2〜3割高く提示されます。これはDDPに、国際輸送費、関税、輸入消費税、日本国内の配送費が含まれるためです。ただし支払総額では、FOBで自社手配するよりDDPにまとめたほうが安くなることもあります。比較する際は、必ず同じ貿易条件に揃えてください。
単価のご相談、
承っています。
「このアイテムを、この数量で」——仕様と数量がだいたい決まっていれば、 単価の目安をお出しできます。現在の見積もりが妥当かどうかのご相談も承ります。
QRコードをスキャンして、微信(WeChat)でもご相談いただけます。